2020-01-01から1年間の記事一覧

『ラカンはこう読め!』 感想

やっぱり話が面白いジジェク先生、そのうさんくさい風貌は我々の幻想を逆用するための確信的なものと改めて感じる。私は彼を信用している。 冒頭にもあるようにラカンを各種作品等に適用することをもってラカン入門とする本書。ある程度ジジェクについて知っ…

『資本主義と奴隷制』 感想

エリックウィリアムズ著 中山毅訳 ちくま文庫表4やあとがきにはプロ倫へのアンチテーゼだっみたいに書かれているが本文中にはあからさまに党派的主張がされているわけではなく、非常に地道な例証が積み上げられている。学芸文庫とはいえ若干のエンターテイ…

MPC IMPACTとSL-1200の肖像 ほか

音楽の本、2つ読みました。 MPC IMPACT!テクノロジーから読み解くヒップホップ 副題のとおりAKAI MPCの前史といえるドラムマシンやサンプラー及びロジャーリン、マイク・マシューズらを追うところから始め、機材の観点からヒップホップ史を辿るという意欲…

『私はなぜ書くのか』マルグリット・デュラス 感想

デュラスのインタビュー本 全12節。幼年期、パリ時代、ひとつのエクリチュールの道程、テクスト分析のために、文学、批評、登場人物のギャラリー、映画、演劇、情熱、ひとりの女、場所 和訳は数冊読んでかなり好きな作家だけどもどういう人かは全く知らなか…

『アラブ、祈りとしての文学』感想

「小説、この無能なものたち」という章で始まるアラブ文学研究者岡真理さんのエッセイ。主にパレスチナの小説を紹介しながら小説に何ができるのかを探る。 サルトルが嘔吐はアフリカの飢えには無力であると言った。あるいはスーザンソンタグを迎えたあるシン…

『ジャン=クロード・ヴァン・ジョンソン』感想

ダービーで自分を信じ切れず、中途半端な勝ちに終わり、目黒記念でそれを膨らまそうとしたところダミアンレーンが2着して水泡に帰した男の感想。 ウォッチリストにずっと入っていたのをやっと見た。これも池添さんとレーンさんのお陰です。 ****** この作品…

Hotline Miami 2とピグマリオンとジョンウィック2

コロナ時代の行動様式ってガルシアマルケスの本にありそうだなって思いながら久々にブログ書く。 Hotline Miami 2 ずっと積んでたのをやっとやった。1と比べて2はかったるいところが多いとは聞いていた。視野外からの射撃がたしかにうっとおしい。 1では…