『愛の渦』感想

昨日に引き続き三浦大輔監督シリーズ。

なんかエロい感じ?のやつとは知っててみた。

全然エロくなかった。かなり明確に起承転結と展開される作品

冴えない男(といっても池松壮亮ではあるのだが)、根暗そうな女(同じく門脇麦だが)乱交ぱーりーに参加して…という話。

セックスの軽みと重み

ぱーりーが始まって一回戦目くらいまではあるあるネタというかああこの感じあるわあっていうので笑える流れ、乱交に限らず見知らぬ人同士が閉鎖空間にいる際の気まずさやそれを徐々に打ち破ったり、破らなかったりする様。

ことが始まっても声がでけえなとかあるもののエロさを感じることはなく、セックス及びその前工程の醸し出す滑稽さが強調されている。セックスって交尾って冷静に動きを見ると滑稽ですよね。なにそんなにかくかくしてるのみたいな。

というわけであるのだが、池松・門脇は何やらこの場に不適切にもセックスの重みを感じてしまっているのである。それは恋なのか思い過ごしなのか。

高度なギャグ

と三回目で新井浩文と池松氏でひと悶着があり、その後柄本Jr.と恰幅の良い彼女が参戦してくる。奇しくもこのカップルと池松・門脇の疑似カップルがスワップすることになる。

基本的にこの”転”部もやはりユーモアがベースにあるのだが、セックスの生々しさが顔をだす。柄本のペッティングは今までになく詳しく表され、ぺちゃぺちゃしてる。キスもここらで初めて映される。

これは恋だね。高度なギャグだね。

今まではセックスに幻想を見ないという幻想をもつ人々という感じだったのだが、ここではよりストレートにセックス(もしくは異性)に幻想を抱く柄本と池松が表現される。

ここには意味ありげなかっこいいこととかないから

それでなんやかんやあり(駒木根君の素晴らしい笑顔あり)、五時を迎え会は終わり。

スタッフの窪塚君が入ってきて参加者は現実に戻される。いやこれを私はこう言いたい。幻想を見ないという幻想から人々は目覚め、日常の幻想に戻る。

そして窪塚君のここには…という発言である。若干セリフ回しが違うかもしれないけど。これはとはいえ的にとることもできる。というかむしろそっちが本筋かも。後に窪塚にくるメールとかみるにね。でもぼかぁあのメールは取って付けた感があっていらないんじゃね派だが。

幻想なきおっぱい

門脇さんのおっぱいは某池脇さんのように特に残念ということもなく、かといってめっちゃいいということでもなく、まあ言ってしまえば普通である(映し方次第かもだけど)。そしてラスト付近のあの池松呼びだしシーン。いやあれは流石に実際やられたら…電話で言え!

かように男は幻想を抱き、女は現実を見ている。あそこにいた僕は本当の僕だとおもいます。良かったですね。このくだりはちょっとぞっとしましたね。

 

よっほどじゃないと異性とは見づらいかもしれないがおすすめ。駒木根君の笑顔を見よう。エヴァかな8 1/2かなという拍手シーンもあり。

『何者』感想

朝井リョウ原作、三浦大輔監督

桐島の人とボーイズオンザランの人だー。たのしそーワキワキ

結構評判いいのは知ってましたが、今更ネトフリで。雪の日に。雪雪

新卒で自宅警備員に就職した私には縁遠い話ではありますが、若干の香は嗅いではいたので多少なりわかる。が、いずれにせよ奴らはリア充だぜ。リア充の苦悩なのであってむしろあの苦渋を味わえるだけでむしろ自慢かという。

おれはいろんなことから逃げてきたよ。ゴミだよ。カスだよ。塵芥だよ。

就活というイデオロギーを括弧付きのものとして受け入れ、最大限の利益を引き出そうとする態度はおれみたいにいじけてそっぽ向いてしまうようなやつより数段上なのである。ジエック的にいえばイデオロギーをまともに受け取ってしまっているバカ。むしろこういうニヒリズム的態度の方が没入系なのである。まともに就活をしている人間たちのほうがメタ的視座に立てる高等な人種なのである。まあそれはともかく映画の話。

ギンジ≒桐島って感じだね。桐島ほど空虚な中心というわけではないが。

ヤーマダ氏出ているのは知らなかった。現実見えてる系先輩でしたね。

ツイッター裏垢のダンダンダンダンッダンのところはだんだんわらけてくる。

あれって※イメージ映像ですということではなく、彼が成長していろんな痛みを受容してああいう劇をつくりましたということになるのかと思ったがそうではないのか。

まあいずれにせよ主人公や周りの人々(ダース―ちゃんはナチュラルボーンリア充という感じで元から素直でかつ世渡り上手で特に変化なしだとは思うが)が成長して教養小説ならぬ教養映画といった佇まいなんですかね。桐島の方がエピックな感はありましたが、これも面白かった。というかあちきは少し泣けましたよ。このゴミカスな私だけどもがんばれよと思いましたよ。

映画そのものというかその題材を語りたくなる作品

『オンリー・ゴッド』感想

レフン監督シリーズ

これまで見たのは、ドライブ、ネオンデーモン、ブロンソンですね。

画面と音の使い方はザ、ニコラス・ウィンディングだぜっディンディン。

青と赤の光が美しく、とてもよくデザインされた構図が多いでございます。タイの猥雑さが程よくレフンの小難しさを緩和してるともいえるし、逆にタイ的なエナジーが去勢されてしまっているともいえるかもしれない(結局なにも言ってない)。

相変わらずゴスリングはほとんど口数少なく、そして急に声をうらっ返して叫ぶテイッキトオーフ

あのおじさん強すぎ!初見ではモブかなって感じだったのに。ムエタイの肘は恐ろしいね。あと刀の振り方は結構バリエーションある。あ、そっちから振る!みたいな。

好きな人は好きなんだろうが、僕私の好みとしてはドライブとかブロンソンになるかな

観念的な、あまりに観念的な

端的にいえば観念的過ぎる。ホドロフスキーに捧ぐと出てましたが、まあそんな感じ。

個人的には実写の映画には何か撮影者が予期せぬものが映り込んでしまっているということを期待してしまうのだけれど、何かあまりに観念的な美に振れすぎていて退屈であることも否めない。言ってしまえばちょっとアニメっぽい。うん一回アニメとってみて欲しいかも。

思ったより書くことなかった。やはりレフンさんはやや大衆よりに振ってもらった方が個人的には助かるって感じ。なんか絵が描きたくなる作品でした。

『ブロンソン』感想

連休はお絵描きしたり飲みに行くなどしていましたが、今日はブロンソンを見ましたで@ネトフリ

ドライブ、ネオンデーモンなどは私見ました、レフン監督のやつです。

マイケル・ピーターソンakaチャーリ―・ブロンソンという実在人物を下敷きにした作品。理由なき暴力しか語る術を持たぬ男が幾度かその他のコミュニケーションツールを得るかに見えることがあるもやはり自らもしくは環境によってその道が閉ざされる話。彼は刑務所長などに幾度か問われる。お前は何を求めるのか?哀しくも彼にはそれがわからない。もしかしたら彼にはその哀しみさえ存在しないのかもしれないが、一般的な人間の理屈からしたらそのように見える。

コミュ力暴力全振り映画といえばディストラクション・ベイビーズが思いだされます。

(時計仕掛けのオレンジはもう少し複雑だったよね)

ディストラクションは格闘漫画的面白さもありましたが、レフンの場合はそうはいかない。より茫漠としたというかアーティスティックというか、取りつく島がない感じ。アクションは敢えてなのかかなりスタティックで迫力あるというのとまた違った感じ。この人は何か象徴的な観念をある短いショットの固まりに圧縮させて結晶化させるみたいなことをすると美しい感じに仕上げてくるなみたいな。オープニングやブロンソンが舞台で語っていくところとか。

あとデデデデデドドドドドドというあの音、らしいですね。好き。

チャーリーはかなり極端な例ではあるけれど、貴様は何を求めているという問いに対しておれは満足に答えられる自信はない。

奥さん、トーマス・ハーディさんのおちんちんはあまり存在感はないですが、演技は素晴らしいのでお勧めですよ。

デデデデデドドドドドドを貼っときます。

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明けてしまったで

年が明けてしもうた!

多少遊んだりもしてけれどもさしてリアルが充実しているわけでもなく、

DAWをほんのりいじったり、絵心教室にはまり中だったり

今年は創作活動をしっかりしたいな

去年アルバムを出したみたいNonameさん

服がクソダサなとこはご愛敬としてとても好きだな。


Noname: Tiny Desk Concert

このnprのタイニーデスクコンサートシリーズは結構おもしろい。

まだそんなに見てないけどTyler the Creatorのとか良かった。

Tr808の音を無批判にならしてラップするのもどうかと思うんよ(超意訳)みたいな話が聞けたりNonameはチャンスザラッパー界隈から出てきた人みたいですね。

 あとMaspyke

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知ってるひとには今更だろうけどにわか的にはめっちゃかっけ

ジャジーなHiphopは好きだけど結構おされというかチャラいのもあるからさ

あとはglobetroddas、clear soul forces,clown city rockersとかちょっと離れるけどditc、black moon とか

あんま評判よくないっぽいが2pacの映画見に行かなきゃな

 

Steamオタセ

久々にスチームで買った気がする。

Banishedやっと買った。人口100人に達しない程度まで少しプレイ。Citiesとかよりはミクロな視点でやる町づくり。なんとなくやってたら深刻なiron tool不足。うまくmerchant使わないと詰む?種とか家畜を物々交換してたが、鉄を仕入れといたほうがよかったか。まだ災害にあってないのでそれが楽しみ。SimCity2000とかでアルコロジー一杯たったらUFOとか竜巻呼んで遊ぶ派だったので。

あとConvoyFTL×マッドマックスということで買った、まだ触ってない。The Detail、ライフイズストレンジでADV熱が上がったので50円だし、買ってみた。ノワールもの。

そしてThis is the police 汚職警察署長になるゲー。日常のゲームパートでは、通報を受けて、事件の様相に応じて署員を派遣していく。その合間に市長からの要請やギャングからの依頼に応えたり、応えなかったりする。人事権は握っているものの、割と戦略性は限られており、カジュアルな感じ。ストーリーには力を入れているっぽい。80~90年代初頭の東海岸的なムード。ロス暴動付近なかんじ。スモーキーな雰囲気は最高です。

レコードなどを収集してかけられるのだけど、Globetroddasがかっこよくてそんなに聞いてない。


The Globetroddas - Picture Perfect

Netflixで見るヒップホップ①

ネットフリックスはヒップホップ関連の作品がたくさんあります。

とりあえず今のところみたものまとめ

Hiphop Evolution

結構前に見たのでやや記憶があいまい

インタビューを中心にバンバータ、グランドマスターフラッシュ、クールハーク黎明期から90年代くらいまでを振り返る。あとカーティスブロウがよく出てくる。

シュガーヒルギャングは功績は若干認めつつも、初期の人らからはフェイクでださいとディスられる。

非常に面白いのですぐ見終わってしまう。シーズン2希望

 

Get Down

ヒップホップ黎明期のサウスブロンクスを舞台としたドラマ

詩才のある主人公(ヒスパニックとブラックのミックス)エゼキエルがヒップホップに出会い、成長する様を描く。

ヒロインのマイリーンとは高めあうナイスカップル。最初は若干ゴリラ感があるものの見ていると非常に魅力的になってくるマイリーンはシンガー。ジークとマイリーンのエピソードがシンクロしながら描かれる。

監督のバズラーマンが映画制作に専念ということでシーズン3は作られない模様。

ただわりときれいに終わっているから良しとしよう。シャオのことは気がかりではあるが。

Life is Illmatic

ご存知NASさんのドキュメンタリー、前に書いた感想 LIFE is illmatic - 人生をガチれ

 

Beats, Rhymes & Life: The Travels of A Tribe Called Quest

2011年公開のatcqのドキュメンタリー。活動再開後に密着した感じ。

デビューまでのことやネイティブタンのこと、ファイフとQ-tipの確執、ファイフの糖尿病、そして和解?など

最初はファイフがティップを誘ったらしい。あとジャングルブラザーズの二人とハイスクールが同じだったんだ!元マネージャが仙人みたいなティップに対してファイフがいることでatcqを地上に戻してくれるといっていたのは印象的。アリは知性的な感じで間に挟まれる感じ。ジェロウビーは在籍は短いけどティップがatcqのスピリットというくらいだから何かあるんだろう。わりとファイフと雰囲気は似ている感じ。

ファイフは去年なくなってしまったんですが、ラストアルバム聞きましょう。

 

We Got It From Here… Thank You 4 Your Service

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