『ドゥザライトシング』感想
スパイクリー監督脚本主演、2pacの流れというほどでもないが流れで。
街あるいは通りが主役の映画。黒人メインの界隈に各種人種がいる。そんな中スパイクリーのムーキーはイタリア系の一家のピザ屋で配達の仕事をしている。各人たちは同胞意識とその裏返しとしてうっすらとした差別意識はあるが、大きく問題化せずわだかまりは多少あるも調和は取れている。
ところがある事件をきっかけに部分的に崩壊する。この件は序盤の消火栓での水遊びシーンが伏線あるいは弱めの連想イメージ、予兆として効いている。街自体が醸成する潜在的意識とかいうと何を言ってるだこのスダコと言われそうだが、そんなものを感じさせる。こういったところがカラフルだけど少し不気味な感じをこの映画がもっているところかもしれない。どもりのスマイリーやラジオラヒーム(ファイトザパワー絶対流すマン)、メイヤーなんかはやや非人格的な土地の精霊ぽい描かれ方がされている。溺れるナイフもだけどこういう土着性というか土地の呪いみたいなことを描く映画個人的には好き。
この映画に出てくる人々は人種内ではまあ結構仲よさそうな感もあるが、作品の構造上そうならざるを得ないだけかもしれないものの割と通り一遍な会話しかしていない。ムーキーにしても本当に分かり合える仲間はいないのかもしれない。
そして小暴動があった翌日も相変わらず暑い日が続くのである。
Public Enemy - Fight The Power
最終的にはdo the right thing ということばもfight the power もやや皮肉に響く