『龍が如く7』感想

今更ながらゲーパスにて、シリーズは極1,2、0のみプレイ済。

春日一番という新主人公、組のためといって代理入獄、18年後に恩を仇で返され馴染みない伊勢佐木町へ、どうするかという筋立て。

アクションからRPGへと鞍替えしたが、私的には元のアクションはたいして面白みがあるものではなかったので特にこの点についてはそれだけでマイナスと感じることはない。むしろこのシリーズは意識低くだらだらプレイを推奨していると思うのでコマンド式RPGのほうが相性よいと捉える。その反面、この本作のシステムがあまり洗練されていないことは明らかで、次作以降の改善は期待される。

龍が如くミニゲーム集?

龍が如くにはいろんなミニゲームがある。その他ゲーム(多くはRPG)にもミニゲームがある。

ミニゲームはなぜ「ミニ」ゲームと呼ばれるか。何がミニなのか。

ミニゲームのミニ性を明らかにするのは、それ以外のゲームのゲーム性をアップさせる際にも役に立つはずだ。

①最適解にたどり着くのに時間をそれほど要しない

②ゲーム本編とのつながりが希薄

直観的にはこの2点がまず浮かぶ。

①はプレイヤーに提示される要素がそもそも少なく、かつその要素の絡み合いがない、または薄く、考慮すべき事項が少ないゆえに起こる。故に短期的な満足度は得られることもあるが、それは暫時減少、早々に飽きが来る。

②については他のゲームに触れて比較してみる。たとえばRDRシリーズ、ポーカーではいかさまができ、それが露見、逆上して銃を抜くこともできる。本編と地続きなのである。これはもはや私はミニゲームとは呼ぶことはできない。本編で示される主人公の態度、ゲーム全体の雰囲気が「ミニゲーム」に反映されているか、反映されているのであればもやはそれはミニゲームではない。

こういったことはミニゲームだけに留まっていればさして問題はないが、結局のところこの辺りはゲームへの制作態度が露わになる部分でもあり本編にも影響が及ぶことが多いのではないかと思う(レッドデッドリデンプション2においてもすべてのミニゲームミニゲームを超えているわけではないことも承知してはいる)。

龍が如くで言えば、台パン、ゴト、積み込みといったいかさまや愚行が働け、それをNPCにとがめられたり、主人公のステータス値に反映(しばしばマイナス)されたりすればより面白いのではないかと思う。もちろん様々な外部事情が生じるのは理解するが。

龍が如くにおけるミニゲームも本編との絡みがあるではないかという反駁も予想されるが、これは明確に否定できる。龍がにおけるこういった本編とミニゲームとの接続はすべて保留行為にしかなっていない。○○には××が必要であるのでこれに勝利せよ。といったことだ。もっともゲームはすべて結論の保留で成立しているのだと言ってしまえばそれまで、ただそれを言うともう戦争なわけで、ここではそれこそ保留としたい。

龍が如く7は他シリーズと変わらず多くのプレイヤーは寄り道をするだろう。ミニゲームもするだろう。そして本編にもどって戦闘をしていると思う。この戦闘もミニゲームみたいだと。少なくとも私は思った。

ここでもう一点留意する必要があるのはスーパーハングオンなどもともと独立のゲームが埋め込まれているということだが、ここでは本編との有機的な接続をもっていないということでミニゲームと見做してよいと思う。

本編から浮いたミニゲームが増えれば増えるだけ作品の緊密さは減少する。また、うちわネタ的なものも多く、弛緩した雰囲気を醸す。記憶が定かでないところも多いので不正確かもしれないが、豪華になったゼロヨンチャンプという印象が昔からこのシリーズにはある。偏見だと思うがシェンムーよりむしろゼロヨンチャンプなのだ。

中途半端なドラクエ要素、パロディはやるならやり切れ

本作はドラクエについて作中人物が直接に言及したり、その他にもドラクエを参照していることがしばしばある。

ストーリーとしても冒頭に勇者にしか抜けない剣が登場、戦闘突入時に主人公の妄想or白昼夢?で敵が異形化するといったことがある。特に前者は筋が悪く、ラストバトル(ほぼイベント戦闘)では徒手を強いられ、エンディングに至る。

剣を抜いたのであれば、剣は収めなくてはならないだろう。開けたら閉める、幼稚園で習う。120%の好意でとらえれば、春日の剣収まってませんよ、8に冒険は続くということかもしれないが、たぶんこのあたりの要素は開発途中で放棄されたのだろう。

結局のところはキャラゲー

主人公の春日は陽気で話が通じる。これまでの桐生と比べると普通よりの人間で、桐生ではありえなかった展開もあり、万人受けするタイプである。ほかの主要キャラクターも嫌味のあるものはおらず、この点に関してストレスはたまらない。一方で敵キャラはやや弱い。ラスボスがあまりに人間的なのはよいが№2、3が戦闘的にも弱いがキャラも弱い。やや唐突に出てきた前作キャラ達が戦闘時強いのは話の筋として道理だが、本作の敵役は正直霞んでしまう。

結局のところ龍が如くは観光ができるキャラゲーなので、もう少し街の人びととの絡みもほしかった。

選挙戦時吹き出しで街の声が上がったりしたがもっと絡みが欲しい。Ubiのゲームなんかである地域を制圧したら住民が戦闘を支援するといったものがよいかはわからないが、ストーリー的にも街への愛があったわけだからもう少しなんかしたい。

また味方キャラとの絡みはいろいろと用意されていたが、狭い通路なんかで味方キャラにぶつかった際に「うおお」みたいになるのがやや心苦しかった。レッドデッドにあったような一言声掛けできて、それに加えてどいてもらえるといった要素があると嬉しい。

 

徐々に不満点ばかりのようになってしまうが、プレイ時はそれほど感じなかった。ブログを書こうとどうしても意識が高そうな感じになってしまうのは人のサガ。わたしのような酒を飲みながらやるような意識低い系ゲーマーにはおすすめができる作品。

ちなみにわたしは趙くん推し。