『新感染 ファイナル・エクスプレス』(感想)

ヨン・サンホ監督はアニメ畑の人で実写監督は初とのこと。すげえ

原題は釜山行きということで釜山には色々と含意があった模様。

大変評判がよろしいことだけは知って仕事帰りに見ました。

追いWiiからの

主人公はファンドマネージャー、生き血を啜る資本主義の豚である。豚は稼ぎは良いようだが、多忙で妻とは別居中である。キムデーリーのアドバイスに従い、一人娘スアンの誕生日にWiiをプレゼントするが、実は子供の日にもそれをあげていた!もこみちもびっくり追いWiiである。

そこで代替プレゼントをオファーすると、娘はオンマーに会いたいという。KTXプサンまで送ることになるが…といったところがあらすじ。

良いアジョシと悪いアジョシ

この映画には良いアジョシ(おじさん)と悪いアジョシが出てきます。

主人公も初めは利己的な悪いアジョシでした。しかし自分が助けられることで良いアジョシとなり、スアンと和解する。それ以後二人の動き方、寄り添い方であ、雪解けした、みたいのがわかるのが良い。悪いアジョシは報いを受けます。ロバート秋山似の戦闘力高い良いアジョシは死亡フラグビンビンです。そしてあのラスボスアジョシについてはああ彼も待人があるアジョシなんだなあと思わせ、弱心故ダークサイドに堕ちてしまいアジョシなんだなと感じました。具体的なお住まいを述べるあのシーンは好き。

しかしその周辺で回想が入るのだが、あの白々しい演出はまじで醒めた。結構涙ぽろりしそうだったがあそこで引いてしまった。この箇所だけはマジでセンスないと思った。なんであんなカット挿入した?悪いアジョシにたぶらかされたのか?

対ゾンビ戦術

この作品のゾンビはワールドウォーZばりの突進力をもつタイプです。日向君ばりのゴリゴリに強引なドリブルを仕掛けてくるやつらです。あのシーンとかルーズボールにピラニアのように食いつくフォワードみたいでした。

最初はごり押しだが、弱点を展開の中で見つけて次第にスマートに対応するようになる。言ってしまえばゾンビものの王道であるが、テンポよく違った手法を見せてくるので楽しい。

ジニが言ったようにゾンビより怖いのは利己的な人間である。ゾンビもの=ヒューマンドラマというのは全世界が認める公式だが、本作もこれに適合する。ゾンビという人間でもありかつ人間でない領界侵犯的存在は必然的に人間存在を逆照射する。

ジニとソンギョンかわいかった。だいぶ好き。

人間は歌う

ラスト、彼女は歌う。序盤に出てきたものだが、今回はアッパーがいなくても歌う。いやアッパーが心の中にいたから歌えたのだ。

韓国映画にはもっとドッロドロのボッコボコのデッロデロなものを求める人はいるでしょうが、解りやすい王道展開で非常に楽しめます。