本屋で見かけて装丁がかっこよくて買っていた。
今年復刊されたみたい。Ice cubeとかはIceberg Slimから名前をとったんだよね。
断続的にだらだらと読んでしまった。
小説はやはり一巡目は一気呵成に読むに限る。
おまえがその美人ビッチとまだセックスしてなきゃいいんだけどな。あのな、スリム、ピンプってのはな、実は、娼婦の相手をする娼夫なんだよ。金の分だけ優しくしてやるんだ、スリム。決してそれ以上優しくするんじゃない。セックスの前に必ず娼婦から金を受け取れ。ピンプにとって娼婦は、ただの客でしかないんだよ。絶対にジョージアさせるな。娼婦がそうするように、必ずやる前に金を取るんだ。
ステイブルの娼婦は、白人の会社で働いている労働者みたいなものさ。自分たちが見下されていることを心の中でちゃんと知っているんだ。そして娼婦にしても労働者にしても、こぼしたくてたまらない不平不満をいっぱい抱えている。ひどいボスの悪口を聞いてくれる相手が必要なんだ。 p.241
ピンプってのは人材派遣業なんだな。
話の構造は割に単線的で、主人公以外の登場人物には厚みがない。
そのことがビッチたちをはじめ他者を利用するコマとして捉えるピンプのライフスタイルが反映されているように感じる。まさにこれがピンプのリアルだと感じる。本とのとこは知らないが。
例えば続編があってカタギになることで文体が変わったりするとめっちゃおもしろそう。台詞回しは翻訳することでどうしても大仰な感じが出てしまうが、訳者も結構苦心したのかもしれない。大戦前後のシカゴなどを舞台とした小説で後年のラップなどへの影響を考えるにはやはり原文で読むべきであるには違いない。